先日電話にて、
「今月(12月)家族が亡くなったのですが、年末に取り替える神棚のお札はどうしたらいいですか?」
という質問を受けました。
「喪に服しているときにお正月が重なってしまった場合、神棚の御札を取り替えてもいいか?いけないか?」
という質問ですね。
この質問にお答えするために、まず「服忌、忌服、喪中等」についてご説明していきたいと思います。
日本では、 喪の状態に身を置くことを「喪に服する、服忌(ぶっき)、忌服(きふく)、服喪(ふくも)等」といい、喪に服する期間を「忌中(きちゅう)、喪中(もちゅう)、服喪期間(ふくもきかん)、忌服期間(きふくきかん)等」といいます。
喪に服する期間は「忌(き)」と「服(ふく):仏式では喪」に分けられ、
「忌」とは神事をはじめ公式の行事や公の場に出ること禁じられ、故人の祀りに専念する期間
「服(又は喪)」とは喪服を着たり、派手な服装を着ないようにしたりして、故人への哀悼の念を表す期間
又、身を慎みながらその悲しみを乗り越え、平常心に立ち返ろうとする期間のことをいいます。
各続柄、日数を表にすると次のようになります。
「忌」の期間が終わると「忌明け」となり、神社のお参りや神棚の御札を受けてお祀りしてもいいことになっています。もし、「忌」の期間中に役職等で神事に参加しなければならない場合、子供や孫のお宮参り、結婚式等へ参列する場合は「忌明けのお祓い」を受ければよいでしょう。
以上のことから
Q「喪に服しているときにお正月が重なってしまった場合、神棚の御札を取り替えてもいいか?いけないか?」
A「忌の期間(最大50日)が終わっていなければ、神棚を半紙で隠した状態で新年を迎え、忌明けとなったら取り替えてもよい。」
神棚と正月飾りについて
神棚
ご家族等に不幸があったとき、その日より忌の期間は神棚に白布を掛けるか半紙を貼って神棚を見えないようにして、お参りはしばらく遠慮します。この期間が過ぎれば新年の新しいお札を受けましょう。
正月飾り
門松を始めとする正月飾りは歳神様をお迎えする依代、又はお供えです。神様は清潔な場所を好み、穢れは忌み避けます。喪に服している家(穢れのあるところ)に招くのは失礼ということから、門松、鏡餅等の正月飾りは遠慮することがよいでしょう。
※「忌明け」となっていれば通常通りに飾っていただいて結構です。